ETCコーポレートカードは道路交通法を違反したりカードの不正利用が発覚すると利用停止措置などのペナルティを受けることがある。
ETCコーポレートカードのペナルティには「1枚のカードが一時的に割引停止」という比較的軽いものから「契約者資格の取り消し」という厳しい罰則まである。
契約が強制的に解除されると以後3年間はETCコーポレートカードの申し込みができなくなってしまう。もちろん別のETC組合にも加入できない。
会社の純利益から「大口・多頻度割引による割引総額」がごっそり減るのだから経営者は大変だ。最悪、会社の存続に関わってくるケースも想定される。
恩恵が大きいETCコーポレートカードだからこそ厳しい規定が設けられているわけだが、利用者の皆さんには正しい使用方法とルールを遵守した運転を心がけてもらいたい。
ETCコーポレートカードのペナルティとは
ETCコーポレートカードのペナルティとは「料金未納」「道路法違反」「車両不一致」などの規約を違反した際に課せられる罰則だ。
ペナルティには4種類の停止措置と契約資格取消しがある。
- 一部割引停止
- 一部利用停止
- 全部割引停止
- 全部利用停止
- 契約資格取消し
詳細はネクスコの利用案内(pdf注意)でも確認できる。
一部割引停止のペナルティ
違反した車両のみ「大口・多頻度割引」が停止されるペナルティが「一部割引停止措置」だ。
料金を支払うETCカードとしての利用ができるうえに期間を1年以内と定めているため一番軽い罰則と言える。
- 車両不一致(※1)
- 通行料金の不正行為
- 第三者にカードを貸与
- 車両制限違反で一定の点数に達したとき
- その他規約違反
※1…うっかり間違った程度でペナルティを受けたケースは聞いたことがないため悪意が認められた時だと予想される。
一部利用停止のペナルティ
違反した車両のETCコーポレートカードが使用できなくなるペナルティが「一部利用停止」だ。
1年以内の期間を定めているがカード自体が使えなくなるため現金払いか別のETCカードを用意することになる。
- 「一部割引停止」の情状が重とき
- ETC車載器の偽装
- 原因者負担金を支払わなかったとき(※2)
- 車両制限違反で一定の点数に達したとき
- その他規約違反
※2…原因者負担金とは、ガードレールや照明灯など道路設備を汚損した者が負担する費用。ようするに弁償代だ。
全部割引停止のペナルティ
違反した車両だけでなく会社全ての「大口・多頻度割引」が停止されるペナルティが「全部割引停止」だ。
10枚カードを発行している会社は10枚全てが対象になる。
料金所のゲートを開くETC支払いは可能であり、また期間を1年以内と定めている。
- 虚偽の情報でカードの発行
- 一部割引停止または一部利用停止期間中に重ねて違反したとき
- 一部割引停止または一部利用停止が解除されて2年以内に違反したとき
- 車両制限違反で一定の点数に達したとき
- その他規約違反
全部利用停止のペナルティ
契約者のETCコーポレートカードが全て利用停止となる措置が「全部利用停止」のペナルティだ。料金所の支払いもできない。
- 利用料金の督促を期日以内に納めなかったとき
- 保証書または保証金を預託しなかったとき
- 原因者負担を長期的に履行しなかったとき
- 一部の割引停止、利用停止の警告を2年間に3度受けたとき
- 車両制限違反で一定の点数に達したとき
- その他規約違反
契約資格取消しのペナルティ
契約自体が取り消される最も重い措置。
強制解除のペナルティを受けると3年間は再契約ができない。
- 虚偽の情報でカードの発行
- 違反による賠償を履行しなかったとき
- カードの利用で横領・脱税などが認められたとき
- 支払いが困難だと判断されたとき
- 車両制限違反で一定の点数に達したとき
- その他規約違反が重いと判断されたとき
- 2年間カードの利用がなかったとき
ETCコーポレートカードのペナルティを受ける違反行為とは
ETCコーポレートカードは安全運転を心がけ普通に利用していればペナルティを受けことはない。
私自身はもちろん直接の知人でペナルティを受けた人はいない。
ペナルティを受けること自体レアなケースだが、それでも停止措置は後を絶たないのが現状だ。
一体どんなことをしたらペナルティ措置を受けるのだろうか。
料金未払いによるペナルティ
ETCコーポレートカードのペナルティを受ける原因で最も可能性が高いのは「使用料金の未払い」による停止措置だ。
うっかり口座に入金するのを忘れた程度で即停止措置にはならないが督促を無視すると容赦なく制裁される。
申し込み窓口が「ネクスコ」か「ETC組合」かによって支払期限が違うが支払期限は厳守しよう。
ETCレーンに関するペナルティ
ETCレーンの通過速度制限(時速20km以下)をオーバーしてゲートを通過するとペナルティを受ける、という噂がある。
だが「○○社が通過速度制限で停止措置を受けた」という具体的にな話しは聞いたことはない。噂だけが独り歩きしている状態だ。または啓発活動の一環なのかもしれない。
ただしETCレーンは通過する際にカード番号をスキャンする。高速道路株式会社が管理するETCコーポレートカードの場合は持ち主を特定することは容易だ。
そしてETC組合を経由して「警告が来た」という話しは人伝に聞いたことがある。警告を無視して再犯を繰り返すと停止措置が行われるのかもしれない。
ETCレーン関係で可能性の高い停止措置は「レーンを破損して逃げた」というケースだろう。原因者負担金の支払いを拒否すれば利用停止にもなる。
車両制限違反のペナルティ
最後に「車両制限違反」を紹介しよう。
全てのペナルティ対象要件に記載されているように、ETCコーポレートカードの停止措置で一番多い原因となっている。
簡単に説明するなら「荷物を積み過ぎたトラック」だ。荷物を積める重量には上限があり、重量をオーバーすることを「過積載」とも呼ばれる。
「車両制限令」という法令の中に「特殊車両制限令」という項目があり、これを違反した時に「特殊車両制限令違反」となる。
特殊車両とは「トレーラー」や「トラクタ」といわれる数十トンクラスの運転席部分と荷台が脱着可能な車両を指す。
過積載による累積点数が一定数をオーバーした時に厳しいペナルティを受ける。
つまりETCコーポレートカードのペナルティ措置のほとんどは「トレーラー」や「トラクタ」を所有し、かつ「車両制限令」を違反している一部の業界で起きている。
とはいえ高速道路公式のETCコーポレートカードを所持しているなら、他のドライバーの見本となる運転を心がけたいものだ。
コメント