ETC利用者向けに「ETCマイレージサービス」というものがある。
ETCで支払った通行料金に対して付与されるマイレージサービスだ。貯まったポイントは通行料金に充てることができる。
利用するには申し込みが必要だ。申し込み前に使った分は遡れない。まだ登録をしていない人はこの機会に登録することをオススメする。
ここでの記事は
- ETCマイレージサービスについて
- 申し込みできるETCカードの種類
- ポイントの仕組み
ETCコーポレートカードと比較する材料の一つとして説明していく。
ETCマイレージサービスとは
ETCマイレージサービスとは、ETCカードで支払った通行料金に付与されるポイントサービスだ。
貯まったポイントは無料通行料として使える「還元額」に交換してから利用する。
運営は「ネクスコ3社・本四高速・阪神高速」の5社によって共同で行われているが地方道路公社もサービスに参加している。
ただし首都高速を含め参加していない道路も存在するので注意が必要だ。
だがサービス自体は無料で提供されているので登録しない手はない。
マイレージポイントの貯め方
マイレージポイントの貯め方は簡単だ。
ETCマイレージサービスに登録して、高速道路や有料道路の利用料金をETCカードで支払うだけである。
マイレージポイントの付与率、また無料で走行できる「還元額」に交換する率も道路事業者によって異なる。
基本ポイントの他に「加算ポイント」を付与している道路もある。
事業者 | ポイント付与 | ポイント還元 | 還元率 | 加算P |
---|---|---|---|---|
ネクスコ東日本 | 10円→1ポイント | 1000ポイント→500円分 3000ポイント→2,500円分 5000ポイント→5,000円分 |
5% 8.3% 10% |
なし |
ネクスコ中日本 | ||||
ネクスコ西日本 | ||||
宮城県道路公社 | ||||
本四高速株式会社 | 10円→1ポイント | 1000ポイント→500円分 3000ポイント→2,500円分 5000ポイント→5,000円分 |
5% 8.3% 10% |
なし |
阪神高速道路株式会社 | 100円→3ポイント | 100ポイント→100円分 | 3.3% | あり |
名古屋高速道路公社 | 100円→1ポイント | 100ポイント→100円分 | 1% | あり |
愛知県道路公社 | 100円→1ポイント | 100ポイント→100円分 | 1% | あり |
福岡北九州高速道路公社 | 100円→1ポイント | 100ポイント→100円分 | 1% | あり |
広島高速道路公社 | 100円→1ポイント | 100ポイント→100円分 | 1% | あり |
神戸市道路公社 | 50円→3ポイント | 200ポイント→100円分 | 3% | あり |
ネクスコ3社・宮城県道路公社・本四高速株式会社の5社が管理する道路は5,000ポイント貯めて還元すると10%になる。
割引率は最大9.1%
還元率は10%だがETCマイレージサービスは無料通行による還元になるため割引率は9.1%になる。多くのブログが勘違いをしているので注意して欲しい。
5万円利用すれば5,000ポイント貯まるがそれは「還元率」だ。
この5,000円分のポイントを使うには新たに5,000円分の通行が必要になる。計算式はで表すとこうだ。
5,000P÷(50,000円+5,000円)=9.1%
加算ポイントが付与される道路
5社以外の道路の還元率は1%~3%と低く設定されているが利用料金に応じて「加算ポイント」が付与される。
加算ポイントはETCコーポレートカードと同じく使えば使うほどポイントが高くなる段階方式だ。
愛知県道路公社の加算ポイント
月間利用額 | 加算P (100円につき) | 実際の加算P |
---|---|---|
5,000円以下 | 0ポイント | 0ポイント |
5,001円から10,000円まで | 4ポイント | 200ポイント |
10,001円から20,000円まで | 8ポイント | 800ポイント |
20,001円から30,000円まで | 12ポイント | 1,200ポイント |
30,001円以上 | 18ポイント | 100円につき18P |
段階方式の計算は少しややこしい。
5,001円から10,000円までは「100円につき4ポイント」が付与される。しかし3万円以上使っても「実際の加算P」は変動しない。
10,000円使ったのであれば加算Pは200ポイントで単純だが、50,000円使ったケースは5,800ポイントになる。
+
200×18=3,600ポイント
=
5,800ポイント
加算ポイントを付けている他の高速道路も同じような段階方式を採用している。
名古屋高速道路公社、福岡北九州高速道路公社、広島高速道路公社の加算ポイント
月間利用額 | 加算P (100円につき) | 実際の加算P |
---|---|---|
5,000円以下 | 0ポイント | 0ポイント |
5,001円から10,000円まで | 3ポイント | 150ポイント |
10,001円から20,000円まで | 6ポイント | 600ポイント |
20,001円から30,000円まで | 12ポイント | 1,200ポイント |
30,001円以上 | 19ポイント | 100円につき19P |
神戸市道路公社の加算ポイント
月間利用額 | 加算P (50円につき) | 実際の加算P |
---|---|---|
10,000円以下 | 0ポイント | 0ポイント |
10,001円から35,000円まで | 3ポイント | 1,500ポイント |
35,001円から70,000円まで | 5ポイント | 3,500ポイント |
70,001円以上 | 10ポイント | 50円につき10P |
マイレージポイントの有効期限
マイレージポイントはポイントが付いた年度の翌年度末まで有効だ。
「令和1年4月1日から令和2年3月31日」の間に取得したポイントは「令和3年3月31日まで」有効ということだ。
言い換えればマイレージポイントの有効期限は最短で1年、最長で2年である。
マイレージポイントを交換した後の「還元額」に有効期限は無い。
ETCマイレージサービスに登録
ETCマイレージサービスに登録する方法はオンラインとオフライン(郵送)の2通りある。
いずれも本人確認として「IDとパスワード」が記載された書類が郵送される。
オンライン登録は1週間、郵送登録は2~3週間程度で登録が完了する。
オンラインで登録した場合は手続きした日の利用からポイントが付与される。即日使えるのは嬉しい。
マイレージ登録できるETCカード
ETCマイレージサービスはETCコーポレートカード以外なら登録可能だ。
- ETCクレジットカード
- ETCパーソナルカード
- ETC法人カード
ETC法人カードは発行した組合が管理してくれるケースが多い為、実際はクレジットかパーソナルになるだろう。
登録に必要なもの
登録するには3つの情報が必要になる。
- ETCカード
- 車載器管理番号
- 車両ナンバー
車載器管理番号とはETC車載器ごとにメーカーから付番された19桁の識別番号だ。車検証と一緒に保存しているケースが多い。
車載器管理番号は車検証やナンバープレートの情報が記録されている。その情報が申込人と一致しなければ登録できない。なりすまし防止策だ。
レンタカーやカーシェアを利用している人も登録できない。
ETCマイレージサービスまとめ
ETCマイレージサービスを簡単にまとめる。
- ETCカードで支払った通行料で貯まるマイレージ
- 通行料金の割引きとして利用できる
- マイレージの貯め方と還元率は道路によって違う
- ポイントの有効期限は最長2年
- 還元額に交換すれば有効期限は無い
- ETCコーポレートカードでは登録できない
メリットはあるがデメリットは全く無い。ETCカードを持っているならまずは登録だ。
個人的には登録制にするなら最初からETC料金を安くすれば良いのでは?と思う。
しかしETCマイレージサービスにはこのような記述がある。
ETCマイレージサービスは、ETCをご利用(無線走行)いただくことが前提であり、その中でもETC普及促進の観点から車載器をご購入いただいたお客様向けの割引制度となっております。Q&A.新規登録
ETCカードではなく車載器の特典のようだ。