ETCコーポレートカードを利用しているのに「割引がされていない」と感じたことはないだろうか?
「ETC組合の担当者が試算した割引額と、実際にETCコーポレートカードを利用した時の割引額が違う」
「走るルートは変わっていないのに毎月請求金額が増えていく」
中には「ETC組合に加入したら請求額が増えた」という嘘か誠か冗談みたいな話もある。
ようするに悪いETC組合に入ってしまったパターンであり、早急に組合を変更することだ。
だが単に「勘違い」だったパターンもある。間違ったETCコーポレートカードの使い方で割引がされなかったり明細書の読み方が間違っているケースもよくある。
実際にETC組合へのその手の問合せは「組合員(利用者)による勘違い」が多く、割引を誤魔化す悪質なETC組合は少ない。
今回は「悪質なETC組合の変更方法」と「ETCコーポレートカードのよくある使用方法ミス」を解説しよう。
ETCコーポレートカード組合を変更する事例
ETCコーポレートカードを利用するうえで、数多の企業が恩恵を受けているのがETCコーポレートカード事業組合だ。
申込みに必要な4ヶ月分の保証金を肩代わりしたり、面倒な明細を整理整頓したり、ETC組合の存在は大きい。

ETC組合の数は全国で200を超える。その中には通常あってはならない悪事を行う組合も存在する。
割引をちょろまかし団体の粗利に入れてしまう悪質な組合だ。
悪質なETCコーポレートカード組合の手口
ETCコーポレートカードの「大口・多頻度割引」は計算方法が少々ややこしい。
利用額によって割引率が変動するうえに、割引されない高速道路があったり、割引率が低い首都高速や阪神高速などの都市型高速道路もある。
さらに「休日割引」と「深夜割引」は併用できる一方、「平日朝夕割引」は割引が併用できない。

この複雑な割引計算を逆手にとって、本来受けることのできる割引を誤魔化すETC組合がある。
このような行為をするETC組合は要注意だ。話し合いすらできない状況であればETC組合の変更を推奨する。
- 休日割引・深夜割引を併用しない
- 首都高速や阪神高速を割引しない
- 部分的に割引率を減らす
悪いETC組合の割合
割引額や明細書を誤魔化す悪質なETCコーポレートカード組合は多くない。むしろ稀だと言ってよい。
当ラボが把握しているのは、限りなくブラックに近いグレーなETC組合がかぞえる一つ、組合員の利用方法が悪い可能性も否めないケースが数えるほどだ。
「プチぼった」のように巧みに誤魔化しているETC組合は利用者(組合員)が気付いていないだけの可能性もあるが、真っ黒なブラック組合は微粒子レベルで存在している程度だと思って良いだろう。
勘違いによるETCコーポレートカードの利用方法
ETC組合の操作ではなく、組合員によるETCコーポレートカードの利用方法が間違っている時もある。
登録した車両とは別の車にETCコーポレートカードを差して運転したケースが最も多い。ようするに「車両不一致」だ。
明細書を確認すれば請求額が増えた原因はすぐ判明する。また長期間「車両不一致」の状態が続くと所属しているETC組合から個別に連絡がくることもある。
ETCコーポレートカードを差しっぱなしにするのはセキュリティ上問題があるが、車両とカードの管理を怠ってはならない。
そしてETCコーポレートカードを手渡しで清算し、ETCゲートをくぐった時も割引対象外だ。
ETCコーポレートカードは指定した車両のETC車載器に差して使用した時だけに「大口・多頻度割引」が適用される。
(ETC車載器ごと別の車に乗せ換えて利用した場合も割引対象から外れる)
ETC組合が発行する明細書の読み方もよく間違えられる。
例えば「休日割引・深夜割引」は「大口・多頻度割引」と併用して割引をするが、明細書に書いてある割引前の金額は「休日割引・深夜割引」を差し引いた金額が記載される。
そして「平日朝夕割引」も割引後の金額が明細書に記載される。
要するにETC組合の発行する明細書は利用した正規の金額ではなく割引後の金額が記載されるこがある、ということだ。
「休日割引」「深夜割引」「平日朝夕割引」の3つのサービスを利用した際には割引後の金額のため見た目より割引率が低く感じることがある。
ETCコーポレートカード組合の変更手順
明細書の仕組みを理解したうえで、それでも明らかにETCコーポレートカード組合が割引率を操作している場合、対処法は3つある。
- ETC組合の執行部と話し合う
- 別のETC組合に移籍する
- ETC組合を即脱退する
話し合いで解決できるのなら最もスマートな方法だ。ETC組合に悪気はなく、単なる凡ミスの可能性もある。
だが特に悪質な行為をしている場合は「即組合脱退」が良いだろう。
これは又聞きなので話し半分に聞いて欲しいのだが「ETCコーポレートカードを利用しているのに、普通のETCカードより高速料金が高くなった」という伝説級の逸話がある。
立場上そのETC組合の固有名を公表できないが、他にも黒い噂を立てながら今も活動している。
話し合いしている暇もメリットもない。即脱退するべきだろう。
ETCコーポレートカード組合のスマートな変更方法
話し合いで解決しない(もしくは話し合いをしたくない)場合、そして他のETCカードよりは割引されている時は、スマートなETC組合の変更が望ましい。
ETCコーポレートカードを既に会社名義で所持している場合、別の窓口で新規の申込みはできない。
使用しているETCコーポレートカードの解約手続きが完了してから申込書を提出する。
その間はクレジットカード会社が発行するETCカードなどで対応することになる。
- ETCコーポレートカードの解約(組合の脱退)
- カード解約・組合脱退完了
- 別の組合でETCコーポレートカードの新規申込み
- カード利用開始
「3.新規申込み」から「4.カード利用開始」はおよそ1ヶ月かかる。
多少の前後はあるが基本は1ヶ月必要であり、すなわちETCコーポレートカードが利用できない期間は少なくとも1ヶ月はある。
月々の高速料金が高いほどダメージも大きい。
ETCコーポレートカードが利用できない期間を減らすには「2.カード解約」から「3.新規申込み」を迅速に行うことだ。
「3.新規申込み」はもちろん別のETC組合。
「2.カード解約」より事前に申込みに必要な書類などを別のETC組合に届けておいて、解約当日に申込みできるようにすることがポイントだ。
事前に書類を届けておく、ということは解約を申し出る前から移籍後のETC組合と打ち合わせておく必要がある。
ついでに利用明細をチェックしてもらい、割引を操作されていないか見積もってもらうのも一つの手だ。
最初からETC組合変更の手順を説明する下記の流れになる。
- 不審な請求を発見
- 既存のETC組合と話し合い
- 2と同時に別のETC組合を探す
- 話し合いが決裂
- 別のETC組合と打ち合わせ(申込みの準備)
- 別のETC組合で申込み準備完了
- 既存のETCコーポレートカードを解約手続き
- 解約完了→即別のETC組合で新規申込み
- 1ヶ月後新たなETCコーポレートカードを利用開始
不審な請求を見つけた時点で他のETC組合を探しておくのも悪くないが、くれぐれも善きETC組合を探すことだ。
「移動した先がもっとブラックでした」なんて結果になったら目も当てられない。

ETCコーポレートカード組合の変更についてまとめ
ETCコーポレートカード組合の数は全国に200以上あり、多くの組合は正規の割引率で計算し、正しい請求書を作る。
だが稀に請求書と明細書を操作する悪質なETC組合が存在する。
「組合に騙されている?」と気付いたつもりでも単に利用方法に問題があったり、明細書の読み方が間違っているパターンもある。
冷静に判断してもらいたい。
入念に調べ、それでもETC組合が操作していると断定できたのであれば「ETC組合と話し合い」か「ETC組合の変更」の2択だ。
個人的には一度目は「話し合い」を推奨する。二度目はないし、ETC組合を変更するなら準備を怠ってはならない。
ETCコーポレートカードが利用できない期間が1ヶ月で済めば御の字、できれば2カ月程度の空白期間で収めたいものだ。