ETCコーポレートカード事業協同組合とは?ネクスコよりお得なETC組合

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ETCコーポレートカードは法人向けのETCカードだ。発行と管理は高速道路株式会社(ネクスコ)が管轄しているが、関連機関として「事業協同組合」が存在する。

いわゆる「ETCコーポレートカード協同組合」「ETC協同組合」などと呼ばれている。念のため断っておくが事業協同組合は国の許可を受けているため怪しい組織ではない。

ETC協同組合は、ETCコーポレートカードを申込みする前に加入する。既にETCコーポレートカードを所持している場合は、一度カードを解約しないと組合に加入できない。

そのため「ETCコーポレートカードの申込みルートは2つ」ということになる。

ネクスコでETCコーポレートカードを申込みをすと、ネクスコの定めた正規のサービスを受けることができる。

「ETC協同組合」で申込みをすると、4ヶ月分の保証金が不要であったり、複雑な明細書を整理するサービスが付く。

逆に言うとネクスコ系のETCコーポレートカードは保証金が必須であり、明細書もちょっと分かり難い不親切な仕様だ。

今回の記事は、下記の項目を中心に「ETCコーポレートカード協同組合」について分かりやすいように解説する。

  • ETCコーポレートカード協同組合の仕組み
  • 組合に加入した方がお得なケース
  • 組合に加入したら損をするケース
  • ネクスコとの違い
  • 不良組合に注意せよ

ETCコーポレートカード事業協同組合とは

まず最初に、ETCコーポレートカード協同組合について簡単に説明しよう。

ETCコーポレートカード協同組合は、組合組織の中でも「事業協同組合」に分類された団体だ。正式には「ETC協同組合」と呼ばれ、ETCコーポレートカードの取扱いを中心に行うことから「ETCコーポレートカード協同組合」とも呼ばれる。

「ETC組合」「コーポレート組合」などと略されることもあり、その数は全国に200以上あると言われている。

200以上あるETC協同組合は、大元である高速道路株式会社(ネクスコ3社)のいずれかと契約しているが、それぞれは全く別の団体であるため、加入条件やサービス内容は似ているようで独自の規則を定めている。

事業協同組合とは中小企業の集合体

では「事業協同組合」とはどのような団体なのか?

「事業協同組合」とは経営合理化を目的として協力し合う中小企業の集合体のことである。

組合には様々な種類が存在するが、総じて「相互扶助」が根幹にある。今回の「ETCコーポレートカード協同組合」で例えるなら、ETCコーポレートカードをより便利に使いたい中小企業の集まり(=組合)となる。

組合員のメリット

「組合」に加入した企業や事業者は「組合員」と呼ばれる。

組合員になってETCコーポレートカードを申込みすると様々なメリットが得られる。

ETC協同組合の主なサービス
  • 申込みサポート
  • 保証金不要
  • 明細書の整理
  • 請求書の一元管理

上記は当ラボが調査した優良ETC協同組合「テイ・ネット組合」の提供するサービスだ。

テイ・ネット組合の申込書は必要事項に付箋が貼ってあり、4ヶ月分の保証金が免除され、毎月分かりやすい明細書が指定場所に郵送される。

似たようなサービスを提供しているETC協同組合もあるが、例外的に「保証金が必要」「割引率がネクスコより低い」「首都高や阪神高速は対応していない」という組合も存在する。

質の低いサービスを提供するところもあるので、ETC協同組合を選ぶ際には注意が必要だ。組合を比較した記事は別にまとめてある。

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ETCコーポレートカード協同組合の仕組み

ETCコーポレートカード協同組合は、新規申込みに必要な4ヶ月分の保証金を建て替えたり、明細書を整理する人件費、事務所代など運営に経費がかかる。

これらの運営費はどこで賄っているのか?ETC協同組合の仕組みは面白いカラクリがあったので少しだけ解説しよう。

組合運営費は大口・多頻度割引の「契約単位割引」にある。

契約単位割引と契約単位割引

ETCコーポレートカードの大口・多頻度割引は「車両単位割引」と「契約単位割引」の2種類の割引を組み合わせている。

「車両単位割引」は3万円以上が30%(ETC2.0を使用する事業用車両は40%)まで割引されるサービスだ。

一般的に大口・多頻度割引は「車両単位割引」を指すことが多く、組合員に提供されるサービスは「車両単位割引」だ。

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もう一つの「契約単位割引」はあまり知られていない。条件が厳しいため対象になる企業が限られているのだ。

「契約単位割引」とは1ヶ月の高速道路の利用額合計が500万円以上あり、自動車1台あたりの平均利用額が3万円以上の場合に10%の割引が適用される。

高速代が月500万円未満であれば「契約単位割引」は一切適用されないため、一部の大手以外は「車両単位割引」のみ適用されるのが現状だ。

中小企業が集まれば「契約単位割引」をクリア

1社で毎月500万円以上の高速代を使う企業は多くない。ETC協同組合に加入できる「中小企業」「個人事業主」に絞るとなれば一部の大手に限られる。

だが、多くの中小企業が集まればトータルで500万円を超すことは難しくない。

中小企業の集まり=組合だ。

1社では到底クリアできない「契約単位割引の条件」だが、数多の企業が集まり、協同して月500万円の条件を満たす。

クリアした報酬が組合の運営費となり、「保証金の建て替え」や「明細書の整理」など様々なサービスを提供する。まさに組合の根幹である「相互扶助作用」がここにある。

逆に言えば、「月500万円以上の高速代を使っている企業」がETC協同組合に加入しても「契約単位割引」は無い。

「車両単位割引」と「契約単位割引」を受けたいならば、ネクスコの窓口でETCコーポレートカードを発行すれことだ。

しかし、毎月500万円以上の利用がある企業でもETC協同組合に加入するケースも珍しくないという。

2000万円以上の保証金、毎月届く分厚い明細書など、ネクスコ系のETCコーポレートカードはデメリットもある。

「契約単位割引」よりETC協同組合の提供するサービスの方が価値があると判断する経営者もいるわけだ。

ETCコーポレートカード事業協同組合に加入する(組合員になる)

次に「ETCコーポレートカード協同組合」に加入する方法を簡単に説明しよう。

ETC協同組合に加盟した企業は「組合員」と呼ばれ、組合の提供する様々なサービスを享受することができる。

まず最も重要になる「ETC協同組合の選び方」だが、最初から優良な組合に加入することを強く推奨する。組合変更については後述するが、かなり手間と時間を取られるからだ。

ETCコーポレートカード事業協同組合の加入条件

めぼしいETCコーポレートカード協同組合を見つけたら実際に入会手続きを行うわけだが、事業協同組合の組合員になるには出資をすることが民法第667条で定められている。

ほとんどのETC協同組合は「出資金1口1万円」に設定している。2口以上出資してもサービス内容は変わらないし、この出資金は脱会時に返却されるのが一般的だ。

そして加入するには4つの条件が定められている。

加入条件①高速代が月3万円以上

ETCコーポレートカード協同組合に加入するには「高速道路の利用が1台あたり月3万円以上」であることを条件だ。これはETC協同組合の仕組みで説明した「契約単位割引」の単価に関係している。

1台の車に1枚のカードを発行するため、2枚発行した場合は月6万円が最低利用額(ノルマ)となる。

いわゆる月3万円のノルマは「ネクスコ管轄の高速道路の支払い分」に限定されており、首都高速や阪神高速など都市型高速道路の通行料はカウントされない。ネクスコは都市型高速道路を管理していないからだ。

都市型高速道路の利用料金は「3万円のノルマ」に含まれないが割引は適用される。少しややこしいが理解しておこう。

またネクスコの道路であっても「平日朝夕割引」の利用は対象外だ。

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加入条件②申込者と車両の名義が同じ

ETCコーポレートカードは申込者と車両の名義が同じことが発行条件だ。

加入条件③法人または個人事業主

ETCコーポレートカード協同組合は法人(中小企業)もしくは個人事業主(自営業)であることが加入条件だ。個人名義では組合に加入できない為、車両の名義も法人名義である必要がある。

申し込みの時は「商業登記簿謄本のコピー」、個人事業主なら「開業届」「確定申告書」などの提出が求められる。

加入条件④会社の業種と所在地

法人の「業種目的」「所在地」も組合加入のポイントだ。

事業協同組合は、所管行政庁から認可を受けることが組合法によって定められている。どこの省庁から認可を受けているかは組合によって異なる。「建設業」や「運送業」なら国土交通省、「介護事業」なら厚生労働省といった具合だ。

ETCコーポレートカード協同組合は複数の認可を受けているが、対象外の業種であったり、所在地が合わないケースもある。

物流系の業種であればどのETC協同組合でも問題ないが、少しニッチな業種だと加入できなかったり、業種はクリアできたが所在地が合わなくて加入を断られることもある。特殊な業種だと加入できる組合を探すのに苦労するかもしれない。

組合加入時の審査

ETCコーポレートカードは車両制限令違反に対して割引停止など厳しい処置を取る。過積載などで違反をした会社で累積点数が残っている場合は組合の加入を断られるケースがある。

また月々の支払いが多い場合は保証ファクタリングの審査を入れる組合もある。

不良組合に注意

ETC協同組合に加入する時は不良組合に注意するべきである。「ニッチな業種でも組合に入れた!」と喜んでいたら、思わぬ落とし穴があるかもしれない。

  • 首都高や阪神高速が割引きされない
  • 正規の割引率より低い
  • 毎月会費を徴収される
  • 明細書が届かない

これらはETC協同組合業界でたまに耳にする。法律違反や不正行為ではないが、個人的に「不良組合」と呼んでいる。

不良組合の数はほんの一握りだが存在する。不良組合を避ける手段は「組合について調べる」「疑問点は予め質問して回答を得る」などして言質を取っておくことだ。

知り合いの知り合いは本当に知り合いなのか?たった一度会った人が紹介するETC協同組合は果たして信用に値するのか?営業電話をかけてくる組合は怪しくないか?

慎重に考えてもらいたい。

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ETC協同組合を変更する

不良組合に加入してしまった場合は、速やかな組合の変更を推奨するが、ETCコーポレートカード協同組合は二か所同時に籍を置くことができない。

組合を変更する際には、現在使用しているETCコーポレートカードを解約して組合を脱退、脱退したうえで新しい組合に加入することになる。

ETCコーポレートカードは発行までに約1ヶ月の期間必要とする。組合の脱退は最後の支払いが完了してから退会手続きが行われる為、申請して最低1ヵ月、最長で3ヵ月以上かかるケースもある。

組合の変更を試みるなら、少なくとも2~3ヶ月の間はETCコーポレートカードを利用できなくなるので注意が必要だ。

仮に組合を変更するなら、新しい組合の担当者と綿密な相談をしてスムーズに手続きを進めることが好ましい。

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ETCコーポレートカード協同組合とネクスコの違い

冒頭でも書いた通り、ETCコーポレートカードの申込み方法は2つのルートがある。

申し込み窓口
  • 高速道路を管理するネクスコの窓口で申込む
  • ETCコーポレートカード組合で申込む

どちらで申し込みをしてもネクスコが発行元になるが、ETCコーポレートカード協同組合を利用すと保証金が免除されたり、手続きが簡略化される。

ETCコーポレートカード協同組合とネクスコの違いを解説する。

ネクスコの窓口でETCコーポレートカードを申込む

まずはネクスコでETCコーポレートカードを申込む流れを簡単に説明する。利用者が行う項目を太字にすると下記のようになる。

ネクスコで申込み
  1. 必要書類をネクスコに郵送
  2. 審査結果の連絡が来る
  3. 審査が通ったら支払い保証の提出
  4. ETCコーポレートカードが届く
  5. 受取書を提出
  6. 利用開始

申込みに必要な書類は全てネクスコの公式サイトでダウンロードできる。

「支払い保証」は2種類のうちどちらかを提出しなければならない。

  • 連帯保証人として金融機関が発行した保証書
  • 保証金(支払見込月額の4ヶ月分)

保証金を選択した場合、月に10万円使う予定なら40万円。4ヶ月分が10万円を下回る場合は最低金額の10万円を納付する。

ETC協同組合に加入してETCコーポレートカードを申し込む

次にETC協同組合でETCコーポレートカードを申し込む流れだが、組合によって多少の違いはある。しかしネクスコより負担が軽減されるケースが多い。

組合で申し込み
  1. 電話またはネットで組合に問合せ
  2. 確認の電話が来る
  3. 必要書類が届く
  4. 必要書類を組合に返送
  5. ETCコーポレートカードが届く
  6. 利用開始

上記は当ラボがおすすめしている「テイ・ネット組合」で申し込みをしたケースを紹介したが書類の提出は一度だけだ。

保証金や保証人、受取書の提出も必要ない。カードが届いたらすぐに使える状態になっている。

保証金が無いだけで手続き自体も簡略化されるのだ。

ETCコーポレートカード協同組合とネクスコの違い最後のまとめ

ここまでの「ETCコーポレートカード協同組合」についての解説をまとめてみよう。

ETCコーポレートカード協同組合とは、ETCコーポレートカードを発行する「ETC協同組合」だ。国の許可を得た「事業協同組合」の一種であるため怪しい団体ではない。しかし、酷いサービスを提供する組合も少なからずあるため、加入する際は慎重に選ぶ必要がある。

ETC協同組合でETCコーポレートカードを申し込みすると「4ヶ月分の保証金免除」「明細書の整理」など様々な恩恵を受けることができるが「契約単位割引」は組合の運営費に回される。

「契約単位割引」は毎月の高速代が500万円以上で10%割引されるサービスだ。月500万円未満だった場合は切り捨てられるので、高速代が月500万円以下であればETC協同組合を強く推奨する。

最後にETCコーポレートカードについて詳しく知りたい人は別の記事でおさらいしてみよう。

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