ETCマイレージサービスとは?知らなかった人が多い無料の公式サービス

ETC知識

ETCマイレージサービスは、ETCカードの通行料金の支払い額に応じてポイントを付与するシステムだ。貯めたポイントは通行料金の支払いに利用できる。

利用するにはETCマイレージサービス公式サイトへの登録が必要だが、料金は一切かからない。

高速道路が運営している無料の公式サービスなのだが、ETCマイレージサービスを知らなかった人は結構多い。

名前は知っていても「ETCカードはあまり利用しない」などの理由でスルーしている人もいるだろう。おまけに首都高速は対象外、阪神高速のETCマイレージサービスは2021年に終了している。

メリットが少ない人であっても、個人的には「無料のマイレージサービスなのだから登録しておいて損はない」と思うのだが、メールアドレスや住所氏名などの個人情報を登録することにデメリットを感じる人もいるようだ。

今回の記事は、ETCマイレージサービスについて分かりやすく解説する。知らなかった人や、登録を迷っている人の参考になれば幸いだ。

ETCマイレージサービスとは

ETCマイレージサービスとは、ETCカードの通行料金の支払い額に応じてポイントを付与するサービスだ。

貯まったポイントは無料通行料として使う「還元額」と交換する。交換した還元額は、次回以降の交通料金の支払いに使用できる。

運営はネクスコ3社と本四高速の4社だが、ETCマイレージサービスに対応している地方道路公社もある。

なお、阪神高速は2021年3月31日をもって終了。名古屋高速道路は2021年4月30日で終了した。

また、ETCマイレージサービスに登録すると、最大50%還元される「平日朝夕割引」も対象となる。

ETCマイレージサービスのポイント還元率と割引率

ETCマイレージサービスのポイントは道路事業者ごとに貯まり、それぞれに応じた単位によって還元額と交換する。

基本的に道路事業者間での合算はできないが、ネクスコ東/中/西日本と宮城県道路公社は合算される。

事業者 ポイント付与 還元額と交換 還元率 加算P
ネクスコ東日本 10円→1P 1000P→500円分
3000P→2500円分
5000P→5000円分
5%
8.3%
10%
なし
ネクスコ中日本
ネクスコ西日本
宮城県道路公社
本四高速株式会社 10円→1P 1000P→500円分
3000P→2500円分
5000P→5000円分
5%
8.3%
10%
なし
神戸市道路公社 50円→3P 200P→100円分 3% あり
愛知道路コンセッション株式会社 100円→1P 100P→100円分 1% あり
広島高速道路公社 100円→1P 100P→100円分 1% あり
福岡北九州高速道路公社 100円→1P 100P→100円分 1% あり

ネクスコ3社・宮城県道路公社・本四高速株式会社は5,000ポイント貯めて5,000円分の還元額と交換すると10%の還元率になる。割引率に換算すると9.1%だ。

割引率が9.1%になる理由は、5,000円分のポイントを使う為に5,000円分の通行が必要になるから。

5,000P÷(50,000円+5,000円)=9.1%

還元率と割引率は間違いやすいので注意しよう。

加算ポイントが付与される道路

神戸市道路公社、愛知道路コンセッション株式会社、広島高速道路公社、福岡北九州高速道路公社の還元率は低く設定されているが、月間利用額に応じて「加算ポイント」が付与される。

神戸市道路公社の加算ポイント

月間利用額 加算P (50円につき)
10,000円以下 0ポイント
10,001円から35,000円まで 3ポイント
35,001円から70,000円まで 5ポイント
70,001円以上 10ポイント

愛知道路コンセッション株式会社の加算ポイント

月間利用額 加算P (100円につき)
5,000円以下 0ポイント
5,001円から10,000円まで 4ポイント
10,001円から20,000円まで 8ポイント
20,001円から30,000円まで 12ポイント
30,001円以上 18ポイント

福岡北九州高速道路公社、広島高速道路公社の加算ポイント

月間利用額 加算P (100円につき)
5,000円以下 0ポイント
5,001円から10,000円まで 3ポイント
10,001円から20,000円まで 6ポイント
20,001円から30,000円まで 12ポイント
30,001円以上 19ポイント

ETCマイレージポイントの有効期限

ETCマイレージポイントの有効期限は、ポイントが付与された年度の翌年度末までとなっている。

具体的に例えるなら「令和5年4月1日~令和6年3月31日」の間に取得したポイントは「令和7年3月31日まで」有効ということだ。

ETCマイレージポイントの有効期限は最短で1年、最長で2年とも言える。

ちなみに、ETCマイレージポイントを交換した後の「還元額」に有効期限は無い。

ETCマイレージポイントの自動還元サービス

貯まったETCマイレージポイントは還元額と交換するが、いちいち手動で作業するのも面倒だろう。

そんな時は、自動還元サービスを設定しておけばOKだ。所定のポイントが貯まると、自動的に還元額に交換する機能がある。

道路事業者 ポイントの自動交換単位
ネクスコ・宮城県道路公社 5,000ポイント→5,000円分
本州四国連絡高速道路株式会社 5,000ポイント→5,000円分
名古屋高速道路公社 1,000ポイント→1,000円分
愛知道路コンセッション株式会社 1,000ポイント→1,000円分
神戸市道路公社 1,000ポイント→500円分
広島高速道路公社 1,000ポイント→1,000円分
福岡北九州高速道路公社 1,000ポイント→1,000円分

自動還元サービスの注意点は単位が大きいこと。

還元率が最大値になるのは結構だが、自動交換単位に達する前にETCマイレージポイントの有効期限が過ぎてしまわないか、注意しよう。

有効期限が近付いてきたら、失効前に手動で交換することだ。

ETCマイレージサービスの登録方法

ETCマイレージサービスの登録は、ETCマイレージサービス公式サイトで受付ている。郵送によるオフライン登録はいつの間にか廃止されたようだ。

登録完了した日の走行からポイントは付与される。即日使えるのは嬉しい。

登録に必要な情報

ETCマイレージサービスに登録する時は、下記の個人情報を入力する。

ETCマイレージ登録に必要な情報
  • 名前
  • 生年月日
  • 郵便番号
  • 住所
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • ETCカード番号及び有効期限
  • 車両番号(ナンバープレートの4桁)
  • 車載器管理番号(ETC車載器の19桁)

ETCカードは、クレジットカード会社の発行するETCカード、もしくはネクスコが発行するETCパーソナルカードが対象となる。ETCコーポレートカードは利用できない。

車載器管理番号とは、ETC車載器ごとにメーカーから付番された19桁の識別番号だ。車載器本体にも記載してあるが、セットアップ証明書にも書いてある。

出典:ETCマイレージサービス

車載器管理番号は車検証やナンバープレートの情報が記録されている。その情報が申込人と一致しなければ登録できない。なりすまし防止策だ。

ETCマイレージサービスまとめ

ETCマイレージサービスを簡単にまとめよう。

ETCマイレージサービスは、ETCカードの通行料金の支払い額に応じてポイントを付与するシステムだ。

貯めたポイントは還元額と交換して、通行料金の支払いに利用できる。割引率に換算すると最大で9.1%だ。

ポイントに有効期限がある為、年間1万円以上の通行料金の支払いが一つの目安。自分が利用する道路事業者の付与ポイントと交換単位をチェックしてみよう。

また、ETCマイレージサービスは平日朝夕割引も対象となる。高速道路が運営している公式サービスだけあって充実したサービスだ。

しかしETCマイレージサービスを知らなかった人も多い。理由の一つは告知不足。ETCガイドブックにちょろっと記載しているだけで、話題にならないのも納得である。

今回を機会に、ETCマイレージサービスを始めてみてはいかがだろうか?登録料も年会費もかからない完全無料のサービスだ。